観客を魅了する歌を歌う

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 【第4回(最終話)】グランプリへのサクセスストーリー
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今日は、スーパーヴォーカリスト養成講座発表会で
グランプリを受賞した、
C君のサクセスストーリー、
第4回目(最終話)をお伝えします。
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2009年12月のグループレッスンの自由曲発表で、
スティービー・ワンダーの「Lately」を歌い、
私を本気で悩ませたC君。
まだまだ、ボイトレと歌唱が結びついていない状態でした。
 

 
年が空け、2010年1月のグループレッスン。
12月とは違う自由曲の披露です。
C君は、Mr.Childrenの「星になれたら」を歌いました。
 
彼の順番が来ると、12月のことが脳裏に浮かび、
ヒヤヒヤです。
 
ところが、期待?を良い意味で裏切り、
随分と自然に歌えているのです。
 
まだまだ「力み」は残っていますが、
12月とは別人?と思えるほど、改善されていたのです。
 
ボイトレで、初めてレッスンした日から次のレッスンまでに
「力み」を改善してきたのと同様、
 
歌唱でも、私のアドバイスを素直に前向きに実践し、
自宅での努力量が目に浮かぶ変貌を、掴み始めたのです。
 

 
そして3月の発表会に向けての選曲。
どの歌でエントリーするか聞いたところ・・・
 

 
まさかのスティービー・ワンダー「Lately」。
 

 
ちょ・ちょっと待て!
 

 
確かに急激な成長を遂げているのは認めるけど、
1月に歌った、Mr.Childrenの「星になれたら」の方が、
等身大な感じで全然良いです。
 
「Lately」は難しい曲だから・・・と、
やんわり説得を試みるのですが、
 
「Latelyが歌いたいんです!
 もっともっと練習します!」
と、意思はとっても固いのです。
 
もうそこまで言うなら・・・ということで、
許可するしかありません。
 
原曲キーでは危険なので、キーを下げることを条件に
チャレンジすることになりました。
 
「Lately」の特訓が始まりました。
何回かレッスンを重ね、
「力み」も随分抜け、リズムも改善しました。
 
でもそれだけでは、全然物足りないです。
この曲はもっとドラマチックに歌って欲しいところです。
 
なので、毎回彼にはちょっと難しいかも?と、
思えるようなことも注文しました。
 
「Lately」を歌う!と言った、あの力強い意思を信じ、
「Lately」を歌うならそうであって欲しい、
と感じるアドバイスを、たくさん、たくさんしました。
 

 
でも・・・
 

 
私は正直、今のC君にはやっぱり難しい曲だと
感じていました。
 
そんな私の悩みも知らず!?
彼は大胆にも「グランプリ」を取る!と宣言し、
純粋な真っすぐな目で、わたしを見るのです。
 
その心意気はすばらしく、努力も上達スピードも
十分認めています。
 
しかし、私の生徒は彼だけではありません。
他にも実力の伸びてきている生徒は、
たくさんいます。
 
正直この段階では「グランプリ」候補には、
とてもとても入れるレベルではありませんでした。
 

 
しかし、発表会前日のレッスン。
C君はレッスンに来るなり、
「なにか掴んだ!!」と興奮しているのです。
 
実際に「Lately」を聞くと、しっとりレガートで
歌えているではないですか!
 

 
 ※レガートとは、音と音の間に切れを感じさせず、
 滑らかに演奏する方法です。
 

 
確かに「掴んだね!」
 
前回までのレッスンで聞いていた「Lately」とは違い、
本当に私の無理難題を忠実に、
一生懸命に努力したのね、と思わせる
「Lately」になっていたのです。
 

 
2010年3月21日(日)、発表会当日。
 
一晩で魔法にでもかかったような、
 
情熱的でかっこいい「Lately」が

会場にいる観客を魅了しました。

C君は予想を覆し、見事グランプリを受賞したのでした。

本当に驚きました。

 
確かに、発表会前の最後のレッスンでは、
かなりな仕上がりを見せていました。
しかし、ドラマチックさが不足しているなど、
物足りなさも感じていました。
 
ヴォーカル講師、審査員の立場から、
C君の成長を振り返ります。
 

 
これは決して偶然起こったことではありません。
 
 リラックスして、声は息に乗せて流す
  ↑
 要チェック!
 

 
プライベートレッスンでも、
最も大切にしている、
基本的なことをきちんと繰り返し練習し、
身につけていったことの結果です。
 
身体の中でブロックされていた息と声が、
身体の外へ流れ出した。
 
感情は声に乗って伝わりますから、
解放された声にC君の感情が乗ったのです。
 
心から歌えた瞬間。
 
彼は間違いなく、その瞬間を味わったことでしょう。
 
聴く人の心に響く歌を理解した瞬間だったのです。
 
最高の歌を目指して日々練習していた、
C君の思いが声になり歌になったのです。
 

 
ちなみに彼は、生徒さんが自分以外の誰か一人に投票して
決めるオーディエンス賞も受賞し、
グランプリとのダブル受賞という栄誉を勝ち取りました。
他の生徒さんも、彼の歌を聴いてかなり触発されたようです。
 

 
スーパーヴォーカリスト養成講座に通うまで、
歌を歌うことが苦痛とまで感じてしまっていたC君。
 
まだまだ課題はたくさん残っているのですが、
確実に変貌を遂げ、今は心から大好きな歌が、
楽しく歌える様になったと喜んでいます。
 
そして、もっともっと楽しく歌える日が来ると、
今からワクワクしています。
 
いま一度。
 
C君おめでとう!
 
そして、ありがとう!
 
私自身も大きな感動と成長をいただきました。
 

 
発表会で見事グランプリを獲得するまでの奇跡を、
5回に分けてお伝えしています。
 
今日でその感動ストーリーは終了します。
 
次回の第5回はなんと、
C君本人からのお手紙を紹介します。
楽しみにしていてくださいね。
 
スーパーヴォーカリスト養成講座」で、
歌う楽しみを心から味わいませんか?

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