ボイストレーニングと力み癖
本日は「ボイストレーニングと力み癖」ということで、
力み癖について詳しく解説していきます。
喉の締め癖、力み癖とは人それぞれで、
単純な力みから複雑な力みまでいろいろな傾向があります。
「声は力」
「声は腹筋」
「声は肺活量」
と信じてそのように意識的に練習してきた人は、
当然力を入れている自覚がありますよね。
この状態で力で声を出しているのに自覚がない場合は、
重症だと思ってください。
でもご安心ください。
私自身も音大時代は「声は腹筋」と教え込まれ、
毎日100回腹筋して、
高音が出ないとグランドピアノを持ち上げながら、
下っ腹に力を入れて発声させられていました。
誰も声帯について教えてくれませんでした。
もう「歌うことは戦い」ですよね(笑)
でも、力を入れている感覚はなかったんです。
訓練って本当に凄いと思います。
話が脱線しましたが、
力みにもいろいろなパターンがある訳です。
強引に大きな声を出そう、無理な高い声を出そうと
意識的に喉やお腹周りに力を入れるパターン。
このパターンでは、
力んである程度声が大きくなって、ほんの少し高い声が出た気がする人と、
逆にパッタリ声が出なくなってしまう人といます。
この単純な力みは本人にも元々自覚があったり、
自覚がなくても確認しやすかったりするので分かりやすいのです。
厄介なのはそうではなくて、本人の自覚としては、
無理に声を出していないのに喉が締まっている、力が入っている場合。
無理に声を出していないから声もそんなに大きくないし、
無理に高音を絞り出して頑張って歌うこともしない。
小さい声なら、無理のないピッチならリラックスできているのか?
というところが落とし穴なわけなんです。
声に悩みやトラブルを抱えている人の場合は、
小さい声、無理のないピッチでも喉が締まっていたり、無駄な力が入っています。
このタイプの人は意識としては全然頑張っていないので、
喉が締まっている、胸が締まっていることが分かりにくいのです。
無理に声を押し出そうとしている訳ではないのですが、
何らかの理由で逆に声を押さえ込んでいるんです。
無理に声を押し出すことも無駄な力ですが、
出る声を押さえ込むのもまた無駄な力が影響しているのです。
声を押さえ込んでしまう何らかの理由は人それぞれなんですが、
・家族や隣近所の迷惑にならないようにという遠慮だったり、
・自分の声を聞かれたら恥ずかしいという気恥ずかしさだったり、
・自分の声に根深いコンプレックスがあったり、
・声とは関係ない性格、気質の影響だったり、
いろいろなケースがあります。
最初の2つの理由は割と早く解決できますが、
後半2つは解決するのに少し時間がかかります。
本日は力みにも単純なものから繊細なものまで、
いろいろな種類があるというお話でした。
以上の点を踏まえてご自身の発声を再点検してみると
次のステップに繋がるかもしれませんね。
さらに詳しく点検したい方におススメ。
「一週間で3オクターブの声が出せるようになる本」
(お願い)
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