先日レッスンの時に生徒からこんな質問がありました。
「朝は声を出さない方がいいと言っている人がいますが、そうなんですか?」
「発声生理学的に声は午後から出るように出来ているって言ってました。」
皆さん、どう思われますか?
私の意見は、
「なんだその中途半端な発声生理学は???」
生徒からの質問なので丁寧に答えました(笑)
発声器官は朝昼夜で機能は変わりません。
声が影響を受けるのは、
体調だったり、気分だったりそちらの方です。
呼吸器官、共鳴器官は朝昼夜で午前より午後の方が稼働している、
なんてことないですよね。
あえて言えば、寝起きは血流が悪くなっているので、
血の巡りが良くなる頃から声も出やすくなると言うのはあるので、
声帯がその影響を受けている可能性は確かにあります。
しかし、血の巡りが良くなって、
体調が良くなってくるそのタイミングは人によって違います。
朝は体調が優れないという人、目覚めが悪いと言う人は、
当然起きたては声の調子もピークとは違うはずですから、
体の調子や気分が上がって来てから声の調子も上がってくるので、
そういうタイプの人は朝は声がでない・・・となりますよね。
声が出にくい時に無理に声をだすと喉に負担をかけてしまう可能性はあり、
そうなってしまう人にとっては午前中声をだすとよくないので、
声を出すのは午後からという感覚になるのでしょう。
だから、そうだそうだと頷けるはず。
そもそも午前中でも無理な発声をしなければ問題ないので、
喉に負担のかからない発声が身に付いていればクリアできる問題だったりします。
逆に、朝目覚めた瞬間からギアーがトップに入っている人にとっては、
朝(午前中)がいい声が出る時間帯だったりする訳ですし、
朝声をだすと気持ちがいいということもあるわけです。
逆に午後になると疲れが出始めて、声の調子も下降線を辿り始めるかもしれません。
「午前中は声を出してはいけない」という話を、
全ての人に押し付けるのはおかしいのです。人それぞれなんです。
心身ともに好調なら朝昼夜関係なく声も好調だし、
心身ともに疲れていれば朝昼夜関係なく声も疲れているんです。
朝声出すことが気持ちいい人もいれば、
午後から調子が出てくる人もいて、
夜が調子いい人もいるんです。
いつでも関係ないという強者もいるかもしれません。
人それぞれの生活スタイルや体調によるんです。
結論としては、自分の体や声の調子について、
しっかり自覚することが重要だということなんですね。
その上で自分の不得意な時間に歌わなければならないときは、
それはそれでまた別に対策を講じればいいわけで、
「午前中は声をだしてはいけない。歌は午後から。」と言う話とは全然違いますね。
最終的に朝だって昼だって夜だって、
いつでも声が出ればそれが一番いいと思いませんか?
私の生徒にはそうなって欲しいと思って、
私はそのような発声法を指導しています。
さらに練習を深めたい方は、
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